【3】今こそチェンジ・リーダーが必要だ!
(1)突然襲ってきた歴史的パンデミック
2020年春、人生これまで生きてきてまさかこんな悲劇を体験するとは思ってみなかった。新型コロナウィルスの到来である。世界中が数えきれないほどの感染者、重症者、死者を出した。国民の生活も経済も身近な身の回りも、 それまでとは一変し、我々の社会生活は文字通り、コロナ、コロナで振り回された。そしてこのコロナ禍はそれまで見えなかった数多くの構造的課題を浮かび上がらせてしまった。まず世界一のベッド数で、世界で一番と思われていた日本の医療レベルが、欧米と比べて10分の1以下の患者の数ですぐにオーバーフローしてしまうほどいざという時に役に立たないということ。
(2)各界の指導者・経営者が目に見えて劣化してしまった
さらに残念だったのは、かつて世界でも稀有の高度経済成長の奇跡を起 こし、経済大国として、世界の尊敬を集めていたはずの日本。そして日本の政治家をはじめ、各界の指導者・経営者が情けないほど目に見えて劣化してしまったことである。アベノマスクに始まり、後手後手にまわる意思決定。数々の失政の連続、度重なる緊急事態宣言で多くの国富を失ったこと。質問にまともに答えず、原稿を棒読みするだけ。挙句に国民の声も、国会の声も無視して五輪に暴走。結局、無観客開催となって全世界に恥をさらす。さらに唖然とするのは、指導者として模範たるべき人間たちが、緊急事態宣言という国家として一番大事な時で、国民が皆自粛しているときに、銀座で飲み歩 き、さらにクラスターまで起こしてしまうというレベルの低さ。政界に限らず、 経済界も、医学界も、教育界も各界が毎日のように不祥事を起こすような、 低レベルの国になってしまったということである。
(3)今こそチェンジ・リーダーが必要な時
これほど劣化した指導者たちだが、さらに輪をかけて酷いのは誰も改革に向 けて立ち上がろうとしないことである。かつては国難を前にして「自分が変えて やろう」と立ち上がる人がいたものだが、今はそれすらいなくなってしまった。
このような時に、まさにこのタイミングで、ダイブツ塾の創設である。このダイブツ塾の基本コンセプトである、『創造と改革というチェンジ(革新)を起こせるチェ ンジ・リーダーの養成』こそ、30年間の閉塞状態を打破するため、日本全体に必要なことではないだろうか?
第三章「建塾物語」