独自の電子商取引を構築し他社を出し抜く!(カー用品販売会社 A社)
『インターネットはまだまだ先だ』BtoB,BtoCとインターネットでの商売は花盛りだ。しかし、かたくなにそれを拒む一途な一人の経営者がいた。「インターネットというと電子商取引だろうが、うちの商品はタイヤやカーオーディオのように取り付けが必要な商品が大半でさすがにインターネットでは難しいね。」そう力強く豪語していた社長であったが、3ヶ月程して血相をかえて改革請負人に泣きついて来たのだから世の中わからないものである。 『このままではうちはつぶれる』「ついにライバル企業がインターネット取引を始めたんですよ。それだけならまだしも、実は。。」そう言いかけると社長の顔色は見る見るうちに青ざめて言った。「どうしたんですか?」と改革請負人は恐る恐る訪ねた。「それよりも自動車業界最大手のT社も我が社のノウハウを吸収してインターネットで商売を始めたんですよ。我が社もうかうかしていると、このままではつぶれるかもしれない。」と一気にまくしたてたのであった。「わかりました。ライバル会社をギャフンといわせるようなものを始めればいいのですね!?」そういうと社長は有頂天になって「そうです。お願いします。頼みますよ。」と小躍りし始めた。 成功のための3つの要素 早速プロジェクトはスタートした。社長の肝煎りなだけに幹部からは選りすぐりの精鋭が集められた。そして早速取り掛かったのは「どんなものが作りたいか?」というあるべき姿のイメージづくりだった。さすがに幹部の精鋭だけあって随所に厳しい要求が飛ぶ。そして何日にも及ぶ会議の末、最終的な結論は以下の3つに集約された。 商売の中味が一番大事 システムはその後ITというと小難しい専門用語が並び辟易する御仁も多いことだろう。しかしご安心下され、改革請負人のセミナーはこんなことはありません。それよりもITを使ってどのように設けるかが最大の関心事。つまり「商売の中味が肝心。システムはその後」ということ。A社の場合、最初は情報システム部門に検討させる予定でいた社長だったが、「経営を知らない人間にシステムを語らせたらまずい」ということで全部門から仕事の達人を集めたのであった。そのため午前中はITの基礎、そして午後にワークショップでシステム検討を行ったのである。 衆知を集めたあるべき姿が完成 プロジェクトは佳境にさしかかった。お客様一人一人の車の状況をデータベースに保管し、過去の購入履歴などによってきめ細かな「カルテ」を提供する車のドクターを実現する。これが最終的な姿となった。しかも、カー気狂も唸らせる品揃えは国内最大規模の店舗の商品ラインナップをそのままオンラインに展開する事にした。そして最大の難題であった「取付問題」。これは顧客の最寄り店を顧客に選んでもらうことにした。その店までの物流費はただ。あとは最寄り店で取り付けてもらう。そして最寄り店はドクターとしての役割を発揮するというわけである。 |