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はじめに

 「本当の経営とはどのようなものか」。これを自ら学習することを通して、論理的思考力や行動力を身につけることこそが、私たちが所属するどこでもゼミで学ぶ意義であり、学生としての使命である。私たちは山本助教授の元で学ぶ中で、「経営の本質」は実践を通してこそ学べるものだと知り、助教授のかつての仕事仲間であった経営コンサルタントの宇佐美泰一郎氏と共に、モノづくりの産学協同プロジェクトに取り組むことにした。それこそが「世界一のホームページ創出プロジェクト」である。その集大成として製作した本論文が持つ意義は、経営の学びと企業ホームページづくりの融合を論じるだけではない。今までにない「新しい価値」を持つホームページを生み出そうとした「志」を伝え、これから何かに取り組もうとする人たちに前向きな気持ちを持ってもらうことに貢献することである。

私たち学生の、このプロジェクトへの参加意義はその「学び」にあった。現在の大学での多くの勉強方法は、講義を聞いたり本を読んだりして、それを基にテストやレポートを用いて理解度を確かめるというものである。確かにそれで知識は身につくかもしれないが、実際に社会に出て必要になる、物事を論理的に考え、何かを実践する力を身につける事ができない(現状の混迷)。そうではなく、自ら学ぶべきテーマを見つけ出し、指導者からサポートを受けながら、何らかの取り組みの中で論理的思考力や行動力を身につけていくことこそが本来の大学での授業のあるべき姿なのである。私たちの場合は、「経営の本質」を学ぶために山本助教授と宇佐美氏にご指導を仰ぎ、「世界一のホームページ創出プロジェクト」というテーマを設定して取り組んだのである。これらの考え方を、どこでもゼミで学んだ「経営改革の基本図式」で以下の図0‐1に示す。

 ここでいう「経営の本質」とは一体どのようなものなのか。私たちのいう「経営」とは、企業が利潤を最大化するための活動ではない。それは、お客様に対して真に喜ばれるモノやサービスを提供するために、人々が知恵を結集して取り組むことである。そもそも、「経」という字には縦糸という意味があり、それは世の中の普遍の真理を表している。世の中の普遍の真理とは、「人間は互いに生かし生かされる関係であり、積極的にその関係に報いる生き方や、人の役に立ったり喜ばれたりすることが求められる」ということである。つまり、人の役に立って喜んでもらうために、知恵を出しながら物事に取り組むことが「経営」なのである。たとえば企業において、今までの世の中にないものを創り出してその発展に貢献し、お客様にモノやサービスを提供して本当に喜んでもらえたとき、そのために働いた人たちも幸福を得ることができる。つまり、互いの幸福の実現のための取り組みとも言うことができる。これこそが、普遍の真理に基づいた「経営の本質」であり、私たちが学び取ろうとするものなのである。


図0‐1 経営改革の基本図式

 

以上のような背景を持ちながらこのプロジェクトを行い、成果をこの論文としてまとめた。「第一部 理論編」「第二部 実践編」の二部構成となっている。

 「第一部 理論編」は、「世界一のホームページ」を作成するための基礎理論を論じている。三章構成になっており、本プロジェクトの目的やその進め方、そして「世界一のホームページ」をつくるのに必要不可欠な定義づくりについて述べてある。

 「第一章 プロジェクトの全体像」では、プロジェクトの目的について述べ、その「志」を明確に表した。何ゆえに「世界一」を目指してホームページづくりに取り組み、どのような着地点を目指すのかを述べてある。プロジェクトのステップにも触れ、普通のホームページづくりとは一線を画するプロジェクトであることが理解してもらえるようになっている。

 「第二章 定義づくりのための調査・研究」では、「世界一のホームページづくり」に最も重要な定義づくりの前半部分について述べた。なぜ定義が必要なのかについて述べ、定義作りのステップと、具体的な調査内容を明確にした。前半部分とはそれに加えて、仮説を立てる、段階的な調査研究、重要なポイントの抽出までである。抽出したポイントについてより理解してもらえるように、一件別の事例研究結果を載せてある。

 「第三章 世界一のホームページの定義」では、定義づくりの後半部分について述べ、定義の全容を明らかにした。後半部分とは、これまでに抽出したポイントから定義に必要な要素を抽出し、グループ化して体系的に整理して定義として完成させるまでである。

「第二部 実践編」では、一部において論じた「世界一のホームページの定義」を基にした、ホームページの具体的作成方法をのべた。

 「第四章 ニューポートの企業研究」ではホームページの設計作業に入る前段階としてニューポートの企業研究を行った。これは、「世界一のホームページ」を作成するためには、企業の強みを明らかにする必要があったためである。

 「第五章 基本設計」は、ホームページの基本設計としてコンテンツの描き出しとコンテンツの流れとしてのコンテンツフローを設計および定義による基本設計段階における評価をした。そのために、まずニューポートが有しているWebサイトのコンテンツにしうるリソースを洗い出し、次にWeb技術をもちいたコンテンツを洗い出した。その上で、コンテンツの組み合わせとしてのコンテンツフローを設計しサイトマップを構築した。そして、「世界一のホームページの定義」によって基本設計段階でどれほど充足しているのかという事を評価した。

 「第六章 詳細設計とオーサリング」では、ホームページのそれぞれのコンテンツのレイアウトやリンクの貼り方の設計を行ったうえで、著作物などのコンテンツのデジタル化を行い、そしてホームページを作成する作業HTML化をし、ここのコンテンツを結びつけるオーサリングを行った。そして、「世界一のホームページの定義」によってホームページが完成した段階でどれほど充足しているのかという事を評価した。

 「第七章 www.newport.co.jpでは完成したホームページのイメージをふんだんに取り入れてその案内をした。これまでの章がどちらかというと「なぜそのコンテンツなのか」「どのようなコンテンツなのか」という事を説明してきたのに対して、ここではお客様の立場で「どのようにして利用するのか」ということに視点を当てて案内をした。


謝辞

プロジェクトの遂行と本論文の完成までには、多くの方に御尽力いただいた。末筆ながら、ここで皆様に感謝の意を表したい。

まず、株式会社ニューポート代表取締役社長の宇佐美泰一郎氏には、この研究の総合プロデューサーとして発足、調査研究、ホームページ製作、論文作成に至るまで、私たちのような未熟な学生を相手に、時には厳しく細やかなご指導を頂いた。

その宇佐美氏を紹介していただき、私たちに最高の学びの場を提供してくださった、京都産業大学経営学部助教授(現大阪成蹊大学現代経営情報学部教授)の山本憲司氏。100人を越えるゼミ生の学習のケアをしておられるという非常にお忙しい中にも関わらず、このプロジェクトに関しても毎回私たちに同行していただくなどして多くのアドバイスを頂いた。

どこでもゼミの先輩であり、マテリアル占いのサイトuranai.very-good.tv の管理人である天野雄一氏には、ホームページの作成時において作成方法についての具体的なアドバイスや、一部専門知識を有するコンテンツの作成をしていただいた。

同じくどこでもゼミの先輩である橋口氏(参加当時、どこでもゼミ4回生)には、事例研究の際にご参加いただいた。その発表のためにわざわざ会議に出席いただき、その場で貴重なアドバイスをいただいた。

以上の方々の他にも、様々な方々のご支援によってホームページの研究、制作および論文の執筆がなされている。改めてお礼を申し上げたい。

平成15年9月


佐山依子

大M英明

金山良子

沼田綾美

村山貴美恵

吉田英孝

 


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