トップ / 改革理論 / 変革期におけるトップマネジメントの本質


第7節 考察

 各企業群ごとに大きな対応に差のあるものは、『全体的方向性』では『資本力』・『業種』であり、『製品開発意識』の場合、『技術革新』・『資本力』であり、『社外との関係』の場合、『販売力』・『形態』がキー要因であり、『組織への対応』は『企業間競争』・『企業規模』が、より高い収益をあげるためには鍵となる要因だと言えよう。
 これらの表より『効果的なトップ・マネジメント』の特徴をあげると、
@バランス感覚を持った経営
 技術革新の要因だけに目を配るだけでなく、満遍なく注意を払う。
A質的変化を重視した対応
 外部環境のなかでも、『景気変動』・『企業間競争』などは、どちらかというと表面的・量的変化で目に着きやすいが、高収益企業の場合、『技術革新』・『消費者二一ズ』の変化など質的なものにも配慮を怠りない。
B的確な対応
 外部環境の変化や、個々の内部条件の状態に応じて適切・正確な対応を行っている。
C臨機応変な対応
 環境変化に応じて、中途半端でなく、はっきりとした対応を行っている。
D自社の個性を生かした対応
 『強み』『弱み』の特性に応じ、それらを生かす形で対応を行っている。
E慎重な対応
 単に一つの要因を取り出し、『AだからB』というような単調で直線的判断を行うのではなく、複雑に絡み合う諸要因を勘案した対応を取っている。

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