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巻頭言

昭和62年3月 松下政経塾塾長宮田義二

「繁栄を通じて、平和と幸福の実現を」という高い理想のもと、21世紀の未来を担う若き人材の育成を目的に、昭和55年、松下電器産業相談役、松下幸之助氏が財団法人、松下政経塾を創設されました。その建塾の思いに共鳴し、宇佐美君をはじめ、現在までに塾の門を叩いた塾生諸君は、百余名を数えるまでになりました。そして、政治・経済・国際分野などの各分野にわたり、既に卒業生の多くが社会の第一線で活躍しております。

しかし、今日の社会の現状を振り返りますと、急激な円高不況をはじめ、貿易摩擦の深刻化、また国際化・情報化の進展などわが国を取り巻く環境は、日々大きく変わり、まさしく時代の大きな転換期にさしかかっていると申せましょう。こうした中で、今後益々「新しい時代を創り出していく若き人材の育成」こそが、急務であると存じます。

さて今回、第7期生の宇佐美泰一郎君が卒塾にあたり、本科修了論文として、本書「高度情報化杜会の本質」を冊子としてまとめることになりました。彼は昭和61年に入塾して以来2年問、持ち前のバイタリティーと行動力で意欲的に研修に取り組んでまいりました。今回のこの論文も、「人問社会の真の幸福を目指した情報化杜会の発展に貢献しよう」と、半年問にわたるアメリカでの研修成果をまとめたものであります。

情報化社会と叫ばれる昨今ではありますが、私どもの日常生活の中にまで深く浸透した情報化ということになると、今後解決しなければならない課題が大変多いように思われます。その点で本書は、アメリカにおける先端事例の研究を踏まえながら、情報化社会の発展が社会の様々な分野において、どのような影響を与えていくのかを明らかにした、大変価値のある研究であると思います。しかし何分未だ経験も浅く、ご満足いただけない点も多々ございますでしょうが、何卒ご容赦いただきますようお願い申し上げます。

最後になりましたが、入塾以来いろいろとご指導賜りました諸先生方、また日頃よりお世話をいただきました皆様方には、この場をお借りして、深く御礼申し上げます。

謝辞

今回の研修では、快く企業研修をお引き受けいただいたメタシステムズ・デザイン・グループ社のフランク・バーンズ社長、リサ・カールソン女史他の皆さん。また事例研究でお世話になった、多くの皆様に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。残念ながら紙面の都合上、本書では、取り上げることの出来なかった事例も沢山あり、また別の機会が与えられればご紹介申し上げたいとおもいます。

失礼とは存じますが、以下に面談調査にご協力いただいた方々のお名前を上げさせていただきます。

事例研究調査対象一覧

<高度情報化に関する概要についての調査>

ネットワーキング研究所所長一J・リップナック、J・スタンプス夫妻

MITメディア研究所一ネグロ・ポンテ教授

同上一ラッセル・ニューマン教授

MITスローン・スクールー鮎川純太氏

ハーバード・ビジネス・スクール ージム・キャッシュ教授(MIS)

同上一山本伸二氏

コロラド州図書管理士一バーバラ・ワグナー女史

パターン・リサーチ社社長一パット・ワグナー女史

国際ネットワーク・コンサルタントーノーマン・ソロモン氏

情報化問題ジャーナリストーブルック・ミークス氏

コンピュータ博物館(ボストン)

<CATVの公共利用に関する調査>

ナショナル・CATV協会(NCTA)一マイク・シュラー氏

デンバー公共放送所長一マリー・カリス氏

コックス・ケーブル杜(サンディエゴ)広報部長一ドナルド・チャネル氏

CATVコンサルタント ー スー・ブスケ女史

メディア・ジェネラル社(フェアファックス)一ブラント・ベイヤー氏

C-SPAN副社長一スーザン・スェイン女史

フェアファックス自主製作放送社長一ピーター・グランウルド氏

国立自主政策番組協会会長(NFLCP)一ピーター・ソロモン氏

ワシソトソPBS,WETA取締役一ジェン・コット氏

ワーナー・ケーブル社一ジェリー・デグラシア女史(QUBE)

<政治・行政分野における応用事例に関する調査>

公共政策研究所所長一ケネス・クレイマー博士

カリフォルニア大アーバイン校情報学部長一ジョン・キング教授

コロンビア大名誉教授一ペン・キンボール教授(ジャーナリズム学)

アメリカ調停委員会会長一ドナルド・シュトラウス氏

EDEN主催者一デビット・フィッシャー氏

チャリオット主催者一デイブ・ヒュージ氏

コドラド・スプリングス市市議会議員一ウエイン・フィッシャー氏

コロラド州共和党員一ブルック・サンダーランド女史

テレポート・コミュニケーションズ社広報部長一C・リチャード女史

キャピトル・コネクション主催者一ボブ・ジャコブソン氏

米国議会技術評価部会副会長一ライオネル・ジョン氏

<教育分野における応用事例に関する調査>

ニューヨーク大学一アート・クライナー教授

ニュージャージー工科大学(EIES)

カリフォルニア大学サンディエゴ校一ジル・スモール女史

教育コンサルタントーエレン・カー女史

国際交渉協会(PIN)一ランス・アントリム氏

ユニオン大学院主任教授一ボブ・マクアンドリュー氏

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